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​京

​形

沖縄発祥の空手が、東京オリンピックで初めて正式種目に採用された。形男子では沖縄県出身の喜友名諒選手が金メダルに輝いた。コロナ禍によって大会が延期された1年間をどう過ごしたのか。そして師匠佐久本嗣男さんとの出会いや金城新、上村拓也ら同門の仲間と歩んだ日々、東京大会への決意など、喜友名のこれまでの道のりを振り返る。喜友名の演武「オーハン大」を、世界選手権団体形で2度金メダルを獲得した清水由佳さん(清水那覇龍鳳館館長)が解説する動画もある。

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「伝説をつくりたい」

沖縄県民初の金メダルに最も近い男

 静かに息を吸い、全てを吐き出すように形の名前を叫ぶと空気が変わる。他を圧倒する力強さで、見る者を一瞬で引きつける。空手形男子の喜友名諒(30)=興南高-沖国大出、劉衛流龍鳳会=は、県民初の五輪金メダルに最も近い男だ。本番は8月6日、日本武道館。「何年も前から目標に定めてきた」大舞台で、新たな伝説をつくる。

 6月22日、那覇市の佐久本空手アカデミー。得意形「オーハン大」を打つ喜友名をじっと見つめながら、師匠の佐久本嗣男さんは何度もうなずいた。この日、ウオーミングアップから五輪本番を想定して臨んだ。表情に自信をにじませた佐久本さんが力を込める。「今の形なら、満点をつけてもおかしくない」

 師弟で目標に掲げるのは、ただ金メダルを取るだけではない。「満点の演武で、五輪で優勝すること」(喜友名)と、目指すのはこれまで誰も見たことがない演武。佐久本さんは「笑われるかもしれないけれど本気です。伝説をつくりたい」と、空手界初の偉業達成に挑む。

 喜友名は世界選手権3連覇、全日本選手権9連覇、アジア選手権4連覇で、絶対王者として君臨し続けている。昨年には国際大会プレミアリーグで最多19個の金メダルを獲得したとして、ギネス世界記録に認定された。さらに五輪延期によって生じた1年間で、「全ての面で成長できている」と実感している。

 トレーニングで筋肉量は増加。ミット打ちを取り入れ、2人一組で腕をぶつけ合う「小手鍛え」などで突く力や蹴る力を強化した。力強さを際立たせるための技の正確さや粘りも、少しずつ身に付いてきた。

 昨年末に新型コロナウイルスに感染したが、「みんなと一緒に稽古ができるありがたさを改めて感じた」と語る。コロナ禍で東京五輪の開催が揺れた時期でも「気にしてもどうにもならない。五輪に向かい、全力で一日一日を取り組むだけ」と、目標はぶれたことがない。

 世界最高峰の五輪舞台は、空手発祥の地・沖縄を世界に知らしめる絶好の機会でもある。「佐久本先生に『この形なら満点』と言われる時のイメージを、そのまま五輪のコートで演武したい」。尊敬する師の下で仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し合い、「空手を稽古するには世界で最高の場所」で汗を流した日々は、着実に世界の頂へとつながっている。(我喜屋あかね、2021年7月23日)

喜友名諒

きゆな・りょう

 1990年7月、沖縄市生まれ。5歳で空手を始め、沖縄東中3年で劉衛流龍鳳会に転向して佐久本嗣男さんに弟子入り。全日本選手権9連覇、アジア選手権4連覇、世界選手権3連覇中。2018年2月を最後に国際大会無敗。170センチ、82キロ。

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五輪「金」に挑む師弟

喜友名諒 × 佐久本嗣男さん

 稽古が始まると、那覇市泊にある真新しい道場の空気が一変する。劉衛流龍鳳会、佐久本空手アカデミー。中央に立つのは世界選手権、ワールドゲームズなどを合わせ、世界大会7連覇の偉業を達成した佐久本嗣男さん(72)。指導者として、幾多の世界王者を育ててきた第一人者だ。(運動部・我喜屋あかね、2020年1月1日)

終わりなき空手道

 弟子の1人に、2020年東京五輪で「全競技を通じて金メダル最有力」と呼ばれる男がいる。喜友名諒、29歳。世界選手権で3連覇を達成し、19年のプレミアリーグ(PL)では出場した6大会を全て優勝。約2年間、国際大会で負けたことがない。昨年12月、PLマドリード大会を終え、東京五輪出場を確実にした。

2人の出会い

 共に世界の頂点に立ち、高みを目指す2人の出会いは喜友名が沖縄東中3年の頃までさかのぼる。

 5歳の時、少年野球をしながら「かっこいいと思った」と違う流派の道場で空手を始めた。中学2年の全国中学生選手権個人形で初優勝し、団体も制して2冠を達成した。上り調子に見えた直後、流派転向の決断をする。

 きっかけは、佐久本さんや劉衛流龍鳳会の先輩たちの演武を見たことだった。「先生や先輩方の形の気迫がすごかった。自分もあんなふうにやりたい」。目指す場所は、さらに上の世界。飽くなき向上心が喜友名を突き動かした。

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劉衛流の特徴

 多くの世界王者を輩出してきた劉衛流には、他の流派にはない特徴が多くある。一つは攻防一体の形。相手の技を受けながらの蹴り、さらに蹴りながらの貫手と、一つ一つの技に切れ目がない。空手の本質とは生死を懸けた戦い。佐久本さんは「殺し合いである以上、無駄な動きはしない。必要最小限の動作を持って行うべし」と語る。

 これは「一足二拳」の、劉衛流の連続技に通じる。足を踏み出しながら、複数の突きを繰り出す。また、技を仕掛けてきた相手を斜めに踏み出してかわし、連続で突きや蹴りを繰り出す、ジグザグな足裁きも大きな特徴の一つである。佐久本さんが説く「技は湧き出る泉のごとく、よどむことなく変化させていく」との言葉は、劉衛流の本質でもある。

 喜友名が劉衛流に入門した当初、稽古の間中から道場に流れる殺気に衝撃を受けたという。「まるで命を懸けて稽古をしているようだった」。ぴんと張り詰めた空気の中で行う、眼前に相手を想定した形。佐久本さんが「生死を懸けてやる」と話す通り、形を打つ先輩たちの表情は真剣そのもの。それが楽しかった。

 以前から知っていた佐久本さんを、実際に見た時から「他の人とは違うオーラがある。すごいな」と圧倒された。実際に、世界の頂点に立った先輩たちがいたことも大きかった。「先輩方を見て、中学から世界を意識していた。全部が刺激。一挙手一投足をまねした」。いつの間にか、目標は日本一から世界一へと変わっていた。

ひたむきな心

 入門したばかりだった中学3年から、佐久本さんにとって喜友名の印象は今も変わらない。「一生懸命で素直な子。練習の鬼で、手抜きをしない」。後輩がだらだらしていたり、トイレが汚かったりすると、ささいなことでも代わりに喜友名が怒られた。だが、佐久本さんと交わした「休んだら稽古に来るなよ」との約束を破ったことは一度もなかった。

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団体形の盟友 共に世界で戦う二人

金城新と上村拓也がエール

 喜友名諒が世界王者たる理由を、劉衛流龍鳳会の佐久本嗣男会長は「いいライバル、仲間がいるからこそ。いい門下生を持ち、指導者冥利(みょうり)に尽きる」と実感を込める。稽古中、喜友名のそばにはいつも、共に世界と戦う金城新と上村拓也がいた。

 出会いは小学生の頃で20年以上の仲になる。金城は小学3年に同じ道場で空手を始め、上村も小学生の時から大会で顔を合わせるたびにちょっかいを出し、遊んでもらった。上村は中学の頃に試合で敗れ、優勝していた喜友名を思い出し、「その時から、この人の背中に追い付きたいと思っていた」と語る。

 3人で出る団体形は世界選手権2連覇中。だが東京五輪では個人種目に限られ、一つしかない出場枠を争うライバルとなった。

 それでも金城は、喜友名の柔らかさや「むちみ」などを例に、「いつも練習しているから感じる。諒先輩の足元にも及ばない」。五輪代表は獲得ポイントに応じたランキングで決まるため、上村は「正々堂々、積み重ねたものを出すだけだった。喜友名先輩がチャンスをつかむだけの努力をして勝ち取った」と潔い。

 いまや東京五輪での金メダルは喜友名だけの目標ではなくなった。金城が「金メダルを取れるのは諒先輩しかいない。心の底から全力で応援している」と話せば、上村も「劉衛流の代表であり、日本の代表。少しでも力になりたい」と全力で支えるつもりだ。その先に、光り輝く舞台が待っている。(2021年5月27日)

気迫充実の三拳士 喜友名・金城・上村

 完勝劇で3連覇-。トップ選手が集う国際大会「空手1プレミアリーグ沖縄大会」は最終日の2日、県立武道館で男女団体形などを行い、県出身の喜友名諒・金城新・上村拓也(いずれも劉衛流龍鳳会)でつくる日本代表は決勝で同じナショナルチーム(林田至史・本一将・西原啓太)との日本勢対決を5-0で制して大会3連覇を飾った。喜友名は初日の個人形と合わせて3年連続2冠を達成した。(2016年10月3日)

世界空手団体形で日本「金」 発祥地の沖縄トリオが見せた大技

 沖縄トリオが大仕事をやってのけた。喜友名諒、金城新、上村拓也(いずれも劉衛流龍鳳会)は男子団体形決勝でフランスを5-0で破り、初出場初優勝を成し遂げた。全4試合で1本も相手の旗を上げさせない完勝劇で「空手発祥の地、沖縄」を世界の舞台で知らしめた。決勝は劉衛流最高峰の形、アーナンを打った。結成7年の3人が、あうんの呼吸で一突きすると、ざわめきが残る会場が瞬時に静寂に包まれた。(2016年10月31日)

五輪への道

沖縄発祥の空手、至高の舞台へ メダル獲得向け決意

 2020年東京五輪の追加種目に沖縄発祥の「空手」が正式に決まった。14年、現在の最高峰の大会である世界選手権男子個人形で、沖縄県勢26年ぶりの優勝を飾った喜友名諒(劉衛流龍鳳会)を筆頭に、県勢の活躍が期待される。(2016年8月5日)

喜友名諒 五輪出場が確実に 空手男子形 「金」最有力

 東京五輪で初めて実施される日本発祥の空手で、形男子の喜友名諒(29)=劉衛流龍鳳会、同女子の清水希容(25)=ミキハウス=と、組手男子75キロ級の西村拳(23)=チャンプ=が1日、全日本空手道連盟が定める選考基準を満たし、この競技で最初に代表となることが確実となった。(2019年12月1日)

喜友名 無限の探求心 絶対王者 五輪確実に

 空手の東京五輪出場権を争う今年最後のポイント対象大会、プレミアリーグ(PL)・マドリード大会最終日が1日、マドリードで行われ、形で男子の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)と女子の清水希容(ミキハウス)、組手男子75キロ級の西村拳(チャンプ)が五輪代表入りをほぼ確実にした。(2019年12月2日)

喜友名が五輪確定 世界空手連盟発表 日本勢8人出場

 【ジュネーブ共同】世界空手連盟(WKF)は18日、東京五輪の出場権が確定した40選手を発表した。全8種目で1枠ずつの開催国枠がある日本は、形で男子の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)と女子の清水希容(ミキハウス)ら全日本空手道連盟の選考基準を満たしていた8人が名を連ねた。(2020年3月20日)

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コロナ禍 1年の五輪延期

[Stay Home 家で過ごそう 命を守るために]
沖縄守るため一致団結
前向く選手「いつでも優勝できる」

 東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が決まり、4年サイクルで夢の祭典に向けた活動を繰り返してきたスポーツ界は、対応を迫られることになった。新型コロナウイルス感染拡大による五輪史上初の事態を冷静に受け入れつつも、選手は強化計画に軌道修正が必要となり、競技団体は進行中の代表選考などの扱いに頭を悩ませる。

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け24日、東京五輪・パラリンピックの史上初の延期が決まった。一夜明けた25日、五輪の空手形男子で出場権を獲得している喜友名諒(劉衛流龍鳳会)は「4年前に空手が正式種目に決まり、2020年を目標にやってきた。残念な気持ちはあるが、世界の状況を見ると安全を守ることが一番。今回の判断は正しいのでは」と理解を示した。

 同日、那覇市内の佐久本空手アカデミーには、普段と変わらず稽古に励む喜友名の姿があった。1年程度の延期が決まったことで、師匠の佐久本嗣男さんは「練習メニューをもう一回仕切り直す」と語る。喜友名は「先生と稽古をすればするほど技術もついてくる。今年の8月よりも、来年の方がレベルアップしている」と力を込める。

 新型コロナウイルスの影響で東京五輪の開催時期について議論され始めた頃から「心の準備はできていた」という。空手は今大会で初採用された種目で、佐久本さんは「世界の皆さんに空手が素晴らしいものとアピールできる」と、五輪本番が中止ではなく、延期と判断されたことに胸をなで下ろした。「いつでも勝負できる準備はしている。いつ五輪が来ても優勝できる自信はある」と喜友名。これまで通り、進むべき道を歩み続けていく。(2020年03月26日)

喜友名「照準合わせる」

 東京五輪の来年7月23日開幕が決まり、空手男子形の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)と、形監督で喜友名の師匠でもある佐久本嗣男さんが31日、全日本空手道連盟を通じてコメントを発表した。喜友名は「そこに照準を合わせて鍛えていきたい」と意気込んだ。(2020年4月1日)

喜友名 パワー強化着々 五輪の頂点へ土台固め

 空手男子形で東京五輪金メダルを目指す喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が、至高の形を求めて力強さを増している。1年延期になったことで、8月まではパワー強化に重点を置いて取り組む方針。「時間はたくさんある。佐久本嗣男先生と一緒に基礎からさらに細かく仕上げていく」と段階を踏みながら土台を固め、より強化していく構えだ。(2020年5月19日)

喜友名 進化へ鍛錬 空手形男子 金メダル候補

 空手形男子で金メダル候補の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が22日、全日本空手道連盟を通じて開幕が1年後に迫った東京五輪に向けてコメントを発表し「基本や体づくりで土台をしっかり固め、さらに進化したい。1年後に向け気合が入り、気持ちも高まってきている」と決意を新たにした。(2020年7月23日)

総社マスク 世界王者らPR 空手家喜友名さん 稽古で着用

【那覇】空手の男子個人形世界王者の喜友名諒さん(30)ら劉衛流龍鳳会のメンバーが16日、県内の障がい者支援施設の利用者らが作る岡山県総社市の「総社デニムマスク」を着けて稽古し、マスクをPRした。喜友名さんはデニム好きを公言し「空手界にも広めたい」と意気込んだ。(2020年10月26日)

喜友名、満点V照準 五輪想定 空手会館で稽古

 空手形男子の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が2日、同門の金城新、上村拓也らと共に豊見城市の沖縄空手会館で稽古を公開した。東京五輪が延期となったためにできた1年間を土台づくりの期間と捉え、「師匠の佐久本嗣男先生が求める形」を目指す日々。約9カ月後に控えた大舞台へ、「満点を出して優勝する」と力を込める。(2020年11月3日)

喜友名9連覇 全日本空手個人形男子

 空手の第48回全日本選手権が13日、東京の日本武道館で行われ、個人形男子の喜友名諒(30)=劉衛流龍鳳会=が決勝でアーナンを披露して28.74点をマークし、史上最多の9連覇を達成した。(2020年12月15日)

「楽しくて止まらない」巻きわらを毎日突いて拳に傷

 形男子9連覇の偉業達成を、喜友名諒(劉衛流龍鳳会)は「こつこつ続けてきたから、この結果につながった」と語る。中学3年で師匠の佐久本嗣男さんと出会ってから、一日も稽古を休んだことがない。両拳にできた傷は、「楽しくて止まらなかった」ほど巻きわらを突いてできた努力の証だ。喜友名が世界王者たる神髄は、まさにそこにある。(2020年12月15日)

​コロナ禍 22日ぶりの稽古

空手の喜友名選手がコロナ感染 18日朝に発熱

 空手の形男子で東京五輪代表内定を確実にしている喜友名諒選手(30)=劉衛流龍鳳会=が新型コロナウイルスに感染したことが19日、分かった。同会の佐久本嗣男会長が公表した。18日朝に発熱してPCR検査を受け、同日夕方に陽性であることが判明した。(2020年12月19日)

「自覚と責任を持って行動していきたい」 コロナから回復

 昨年末に新型コロナウイルス陽性と診断された空手形男子の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が8日、療養から復帰した。那覇市の佐久本空手アカデミーで22日ぶりの稽古が行われ、佐久本嗣男会長の下、門下生らと久しぶりに汗を流した。「みんなに迷惑を掛け、県民の方々にも心配を掛けてしまった。より自覚と責任を持って行動していきたい」と決意を語った。(2021年1月9日)

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​強さの秘密は 技と功績

空手の喜友名 ギネスに認定 プレミア最多 19の「金」

 空手の形男子で東京五輪代表候補の喜友名諒(30)=劉衛流龍鳳会=がこのほど、空手の国際大会プレミアリーグ(PL)で史上最多となる19個の金メダルを獲得したとして、ギネス世界記録に認定された。(2020年11月3日)

各年代で強さ発揮
中学生から日本代表まで 写真で振り返る
​喜友名の形演武「オーハン大」強さ解説
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清水由佳さん

解説

清水那覇龍鳳館館長

世界選手権で2度の金メダル 沖縄に戻り指導者の道へ「誰かを輝かせる人も必要」

 空手の世界選手権団体形で2度金メダルを獲得した。現在、空手道場「清水那覇龍鳳館」の館長。「努力は絶対に報われる」と信じている。「努力の仕方を間違えないこと」を前提に、準備を怠らず、進むべき道が明確化していることを何よりも大切にする。(2021年3月8日)

心技体 次世代へ 世界団体形2008年女王 那覇市に道場

 那覇市泊に6月、常設の道場を構えた。主は劉衛流龍鳳会の清水由佳6段(37)。2008年、第19回世界空手道選手権大会の女子団体形制覇やアジア大会3連覇、東アジアオリンピック優勝などの輝かしい経歴を持つ。(2019年9月29日)

女子団体形 世界制す 空手道選手権
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 空手道の第19回世界選手権大会は13日、東京都の日本武道館で開幕。女子団体形は日本代表として出場した県勢の金城さゆり(23)=劉衛流龍鳳会、清水由佳(26)=同・琉球大非常勤講師、嘉手納由絵(22)=同・大同火災=が優勝を果たした。(2008年11月14日)

01 最初の気合い

02 立ち方

03 拳の握り

04 目の動き

05 重心の移動

06 破壊力

07 緩急と同時性

08 残心

09 ルール変更

10 形の楽しみ方

11 喜友名選手へ

​2021年 いざ東京大会へ

不動の空手形王者・喜友名諒 五輪金メダルへぶれない演武「1年前より成長」

 「満点の演武で、五輪で優勝する」。空手の形男子で代表内定を確実にする喜友名諒(劉衛流龍鳳会)の目標はぶれることがない。五輪延期でできた時間も、佐久本嗣男会長の下で仲間と稽古に励んできた。だからこそ「全ての面で、1年前よりも成長できている」との自負がある。

 13日、那覇市の佐久本空手アカデミーでの稽古では「アーナン大」「オーハン大」など、劉衛流の形を3本ずつ全力で打ち続けた。ただでさえきつい稽古に新型コロナウイルスの感染防止策でマスクを着けており、肩で息をするほど消耗。だが、佐久本会長は「苦しいと思うが、ここを乗り越えないと染みつかない。どこまで食らいつき、全力で最後の形まで打てるか」とハッパをかけた。

五輪本番までのプランは

 五輪本番までの練習計画はこうだ。数日間体に負荷をかけて乳酸をため、徐々に練習量を落とす。これを3回ほど繰り返し、7月には最終調整に入る。「本番の8月6日に合わせて、最高の状態まで持っていく。一日たりとも狂わせられない」と佐久本会長。喜友名自身も「6月中には『これで本番に出ても大丈夫。満点を取れる』と思えるところまで仕上げたい」と意気込む。

 五輪延期が決まってからさまざまなことがあった。国際大会が延期や中止となる中、12月の全日本選手権で史上最多の9連覇を達成。だが直後、新型コロナに感染して療養生活を余儀なくされた。この1年を振り返り、「一日一日を大切に過ごしてきた。精神面でも強くなれた」と語る。持ち味の力強さに加え、技の正確さや粘りも少しずつ身に付けてきた。

国内外で3年間負けなし

  3月、試合形式で実施する全空連の選考会に参加した。本番さながらの雰囲気の中、昨年1月のプレミアリーグパリ大会以来、約1年2カ月ぶりに「アーナン大」と「オーハン大」を演武。コーチ陣から「以前よりもかなり良くなっている」と評価されたといい、喜友名自身も「力強さを際立たせるための正確さなど、細かな部分が課題だった。レベルが上がっている」と手応えをつかんだ。

 国内外で約3年間負けなし。不動の世界王者に周囲からの期待も大きいが、「そこまでプレッシャーはかかっていない。応援してくれることがうれしい」と意に介さない。「どの大会よりも一番注目されるのが五輪。自分の空手で、子どもたちや県民に夢や希望を与えられたらいいなと思う」と、真っすぐに五輪のてっぺんを見つめている。(我喜屋あかね、2021年4月14日)

喜友名 目標は満点 未到の演武 金獲得へ 五輪空手形の代表内定

 世界空手連盟(WKF)が東京五輪出場権を得た選手を発表して一夜明けた26日、形男子の代表に内定した喜友名諒(劉衛流龍鳳会)は、「県民や子どもたちに夢や目標、希望を与えられる姿を見せたい」と東京五輪での金メダル獲得を誓った。今後、日本オリンピック委員会(JOC)の手続きを経て、正式に決まる。(2021年5月27日)

「満点の演武で金メダルを取りたい」空手形の喜友名が決意

 東京五輪の空手形男子に出場する喜友名諒選手(劉衛流龍鳳会)の激励壮行会(主催・県空手道連盟)が27日、那覇市泊の佐久本空手アカデミーで行われた。競技関係者ら約30人が「頑張って」「メダルを取ってきて」などとエールを送った。(2021年07月28日)

満点演武で「金」へ 激励会 喜友名選手が決意

  「満点の演武で金メダルを取る」。27日、那覇市泊の佐久本空手アカデミーであった東京五輪の空手形男子に出場する劉衛流龍鳳会の喜友名諒選手の激励壮行会。沖縄から五輪の舞台に向かう空手家の決意が力強く道場に響いた。(2021年07月28日)

喜友名・喜納選手を応援 うるま南原小 児童ら人文字で聖火

 うるま市立南原小学校(新城剛校長)で7月29日、東京五輪の空手形男子に出場する喜友名諒選手と東京パラリンピックの女子車いすマラソン(T54)に出場する喜納翼選手を応援しようと、全校児童285人が応援メッセージをそれぞれ準備して、運動場に聖火を表す人文字を作った。(2021年8月2日)

喜友名「負ける気しない」 選手団入村 5日から競技 空手

 東京五輪空手の日本代表選手団が2日、選手村に入村し、記者会見に臨んだ。形男子の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)はコロナ禍での五輪開催に感謝し、「五輪に向け、勝つための稽古をしてきた。負ける気がしない」と必勝を期した。 空手は5日から日本武道館で競技開始し、喜友名は6日に出場する。(2021年8月3日)

​東京五輪への意気込み

8月6日 日本武道館へ

予選と準決勝戦

金メダルを獲得した決勝戦

 沖縄空手の魅力を伝える「週刊沖縄空手」。空手に関するさまざまな話題をはじめ,連載で「道場めぐり」「世界の沖縄空手事情」など掲載している。発行は毎週日曜日。購読には会員登録が必要。

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